ボタナ紀行

ハーブをめぐる冒険

オレガノの効能1

オレガノ, ハーブ, スパイスアップ, 芳香性の草本, ドライ, 地中海

 

1月25日(水) ニューヨーク 雨

 

今日は夕食にオーガニックの骨付きチキンをじっ

くりスロークッカーで5時間煮込んで、

チキンスープにしました。

 

途中、野菜をこれでもか、と言うくらい沢山と、

先日購入したタイゲトス山のグリークオレガノ

を入れ、食べる直前にはレモンを絞って😘

 

オレガノはビタミンK、ビタミンC、ビタミンA、

マンガン、鉄、カルシウム、カロチン、ルテイン

ゼアキサンチン、クリプトキサンチンなど、

多くの栄養素を豊富に含んでいます。

 

オレガノを食事に振りかけるだけで、

これだけの栄養を手軽にとれるとは、棚の隅

に置けない優れものですね。

 

さらに、ギリシャオレガノには、ピネン、

リモネン、オシメン、カリオフィレン、チモール、

カルバクロールが含まれており、強い風味と抗菌

作用があります。

 

またロスマリン酸は、オレガノに含まれる

もう一つの抗酸化物質で、さらなる抗菌

作用があります。

 

オレガノに含まれるカルバクロールとチモール

は、抗ウイルス作用があることが知られています。

 

ある試験管試験では、カルバクロールは、下痢、

吐き気、腹痛を引き起こすノロウイルスを、処理

後1時間以内に不活性化した結果が出ています。

 

また動物実験において、オレガノエキスは

インスリン抵抗性を改善し損傷を受けた

肝臓や腎臓の組織を回復させること

が示されました。(a)

 

オレガノの使用だけで糖尿病を予防または治療

できるとは言えませんが、この研究では少な

くとも治療の一部としての可能性が示されて

いるようです。

 

これらはオレガノの効能のほんの一部なんです。

素敵な香りを楽しみながら、可愛いけど凄腕の

オレガノをどんなふうに使おうかと考えると

ワクワクしてきます。

 

 

(a)

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/

PMC5242351/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレガノの山

 

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1月25日(水)ニューヨーク 雨

 

前回の続きです。

写真はギリシャ南部のペロポネソス半島にある

雄大なタイゲトス山脈です。

山脈の最高峰は「プロフィティス・イリアス」、

あるいは「預言者エリアス」(エリヤ)

とも呼ばれています。

 

この周辺はグリークオレガノ

(正式名origanum vulgare ssp)

の産地として知られています。

オレガノだけでなく色々なハーブの産地とし

て有名です。

 

オレガノの栽培は温暖な地域が適しており、

ギリシャの気候はとても合っています。

国中のいたる場所でオレガノが自生していたり、

栽培されています。

 

この国の澄んだ空気と自然の山水で育つ

グリークオレガノは素晴しい癒しの

香りがして古代ギリシャ時代に

生きた人々も、この香りを味わっていたんだ

なあ。。。。。。。と、オレガノティーを入れて

、タイムトリップしたりするのが、

私のぼっち楽しみです。

オレガノだけでなく色々なハーブでトリップ

してますが(笑)。

 

(タイゲトス山脈)

 

こういうシーンをギリシャの田舎ではよく

見ました。

ヤギさん達がヤギ飼いに連れられて山の斜面の

草を食べに行くところですね。

ヤギのミルクをフェタチーズにするのでしょう。

 

ギリシャオレガノは野生も多いですが、

農地で栽培したものも、世界最高品とされて

います。集められたオレガノは天日干しされ

るそうです。

 

オレガノが栽培される地中海沿岸にはイタリア産

やトルコ産など様々な種類のオレガノがあり、

世界的にはさらに多くの種類が存在しています。

 

グリークオレガノはイタリアやトルコのオレガノ

と比べると、土臭くもう少しスパイシーで香り

が高く、風味が強いのが特徴です。

 

 

 

*写真はお借りしました。

 2023年1月23日(月)

 ニューヨーク

 曇り時々小雨

 

 

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何気なく日々使っていたハーブによってすごく

体調や気分が助けられているとわかって、

本格的にHerbolgy (薬草学)の勉強をしています。

 

ギリシャに20年住んだ後、今はニューヨークに

家族と住んで4年になります。

現在米国でハーブの第一人者である

マイケル・テラ、レズリー・テラ(ご夫婦)の学校

で学び、ますます薬草たちのパワーに魅せられて

います。

 

ギリシャではハーブが古代から使われておりギリ

シャ神話とハーブも関係が深くて、ハーブティー

を飲みながら古代ロマンに浸るのが趣味です(笑)

 

ブログ初めとしてギリシャの代表的なハーブであ

り私も大好きなオレガノについて書いてみます。

 

オレガノギリシャ料理には欠かせない代表的な

ハーブで、オレガノがない家庭というのは、

めったにないと思います。

 

羊かヤギのミルクから作られたフェタチーズ

上にかけたり魚や肉の風味ずけ、トマトソー

スを使った煮込み料理、バターと混ぜてスプレ

ッドにしたりと使い道も豊富です。

また振りかけておくと素材の酸化を防ぎます。

 

 

神話では美の女神アフロディーティがオレガノ

を海水から創造し、オリンポス山の山頂の庭で

栽培して、土地の民の幸せと喜びのシンボルにし

たとあります。

 

オレガノという名前は、ギリシャ語の

「os(山)」と「ganos(喜び)」に由来して

いて直訳すると「幸福の山」という意味です。

 

オレガノが地中海沿岸の丘陵地帯を覆い尽くし、

美しい香りと花で満たし幸福感を与えてくれる

というところから来ています。

 

現代においてもオレガノは喜びと幸せのシンボル

なんですよ。

 

また古代ギリシャ人は悪霊を追い払うために家

の周りにオレガノを植えていたそうです。

そのときからの習慣か、今でもネガティブな

エネルギーを追い払うという意味で、鉢植え

や庭にオレガノを植えていることが多いんで

すね。

 

そして古代ではオレガノのリースを頭にかぶり、

眠りにつくとサイキックな夢を見ることができ

ると言われていたそうです。

予知夢を見るために使われていたのでしょうか?

面白いですね。

 

現在でもギリシャ人の中にはオレガノは浄化作用が

あるので、枕元に置いて寝るとよい夢を見られる

と信じている人もいます。

 

住んでみて思うのですがギリシャでは今でも神話や

言い伝えによる意識的または無意識的な、ハーブへ

の特有な想いがあるようです。

 

古代ギリシャ人で医学の父、ヒポクラテス

「食を薬とし、薬を食とせよ」と言いました。

ヒポクラテスは切り傷への感染症を防ぐために

オレガノのオイルを塗ったり、腹痛に

も使ったそうです。またお茶は風邪、咳、喘息

の治療薬、ハーブを液体状して扁桃腺の治療

としても使われました。

 

今日、科学的なリサーチでヒポクラテスが言っ

オレガノの効能が実際にあることが分かって

おり、ヒポクラテスが正しいことを言っていたこ

とが証明されています。

 

特にギリシャで育ったオレガノには強力な抗

酸化作用があり、血圧を下げたり癌を癒すと言

われるcarvacrolとthymolという物質が高濃度

に含まれていると言われています。

 

 

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ニューヨークのギリシャ食材店で見つけた

ギリシャオレガノ